次男の授業で炭焼きをやるというので行ってきた。
そもそも炭ってなんなの? なんでわざわざ燃料を一旦焼くの? そのまま使えばいいじゃん。一度焼いたのになんでまた焼けるの? どういう原理?
という無知の極みであったため、とても勉強になった。
焼くといっても木材そのものを燃焼させるわけではなく、木質部に含まれる炭素以外の成分、主に酸素や水素とその他不純物を取り除いて純粋な炭素に近づける作業が炭焼きということのようである。
場所は某省庁の某実験場。
前からよく散歩で脇を通っていて、一度入ってみたいなぁと思っていた場所だった。
念願かなうとはな。
林野庁や、高尾森林ふれあい推進センターの職員の方々が大勢指導に来てくださっていた。
皆さん、鉈鋸の二丁差しを腰につけてるのがカッコいい。
さて、今回は伏せ焼きという比較的簡単な方法で竹炭を作るとのこと。
必要な道具や工程はこんな感じ。
炭原料
・竹(6~8cm×80cm * 100本くらい? を6班分以上)
これだけの竹を用意するだけでもけっこう大変。乾燥させる期間も必要。
目に見えない地味な準備がされている。
窯
・スコップ(関西名:シャベル)
・コンクリートブロック
・煙突
・トタン板
・敷き木
・鉄骨(60cm * 4本)
・枯葉
・薪
・ウチワ
スコップで窯とする穴を掘る。ブロックで焚き口を作り、敷き木と煙突で煙道を作る。
敷き木の上に鉄骨を渡し、その上に炭材を積み上げる。
すき間に枯葉を詰め、トタン板、土をかぶせ、焚き口~煙道以外の部分を密閉する。
薪、ウチワを使って火を起こし、窯内を焚く。
あると便利
・鋸(のこぎり)
・鉈(なた)
穴を掘っていて根っこが出てきたら、鋸は必須。
かなり太い(直径6、7cmくらいの)根っこでも、「これくらいの根っこは切っても木は全然平気だから、木が可哀想とか思わなくて大丈夫だよ」と子供たちに教えている。さすがだ。木への優しさを感じる。
詳しい解説はこちら。
http://www.geocities.jp/tama9midorijii/satoyama/s-fuseyaki.html
炭材はできるだけすき間をあけずに詰めた方がいいとのこと。
ふと隣の班の指導係のかたを見ると、鉈で節をバシバシと落としている。
! はは~ん、そうか。
オレ 「そうやって節を落とした方がよりいっぱい詰め込めるってわけですね?」
巧み 「節があるとすき間ばっかになっちゃって燃えちゃうからね」
なるほど…
マイ鉈を持ってくればよかった…(持ってないけど)
と地団太を踏んでいると、子供がこれ(竹)でやるんだよと教えてくれた。
竹で竹の節を叩いて落とす。
頭いいな、おい!
しかし山の男としては二丁差し必須だろこれ、と思ったけどけっこういいお値段しますね…
というかそもそも全然山の男じゃなかった。>オレ
もうちょっと安いのにしとこ。
煙突をふさぐと土から煙が漏れてくる。ここは密閉が甘いところなので土を追加する。
すき間から酸素が入ると材が燃えて灰になってしまうらしい。
これは木酢液ならぬ竹酢液を取っているところ。
煙を長い筒に通し、冷やして液化し、落ちるのを集める。
口焚きの熱によりまず材に含まれる水分が飛び、やがて材(セルロースといった炭水化物)そのものの分解が始まってさらに水分が排出され、炭素の純度が高まっていく。
それらの過程を煙の色や匂いで判断するのは熟練の技。
煙が透明になったら煙突を外し、土で埋めて完全に密封。
これで工程は完了。
明日の朝には炭が出来ているとのこと。
(翌日は仕事のため見れないのが残念…)
ということでお弁当の時間です。
一人でこっそり食べるキャンプ飯は美味しい。
さて、午後。
まずは森と人とのつながりをテーマにした講義など。
里山や森がどんどん減っているのは寂しいね。
続いて花炭作り。
炭素の入っているものならなんでもできるとのこと。
折り紙、木の実、花、etc
お菓子などの缶に入れ、針金で硬くふたをして炭火にくべ、蒸し焼きにする。
フタのすき間から煙が出なくなったら冷まして完成。
そんなころ、別の場所では大量の焼き芋を焼いたり。
さぁ、緊張の一瞬。
今回一番のヒットはこちら。
カブトムシの死体。
おぉ~、なんかカッコいい!
これはなんでしょう。
なんと割り箸。こんな風になっちゃうんだ!
これはなかなか楽しい。キャンプでもできそうだね。
この巨大な松ぼっくりは、ダイオウショウという松の松ぼっくりだ。
ダイオウショウ。
最後はみんなで焼き芋をいただく。
楽しい一日でした。
職員の方、先生方、ありがとうございました!